民衆の敵 (1978) : An Enemy of the People

ノルウェーの小さな町を舞台に、町の財政を支える鉱泉をめぐって町の有力者たちと対立する1人の医師の信念を描く。『民衆の敵』(みんしゅうのてき、An Enemy of the People)は、1978年公開のアメリカ合衆国の映画。ヘンリック・イプセンの同名戯曲をアーサー・ミラーが翻案したものを原作とし、ジョージ・シェーファーが監督した。スティーブ・マックイーンが主人公のトマス・ストックマンを演じ、兄のピーターをチャールズ・ダーニング、妻のキャサリンをビビ・アンデショーンが演じた。

監督:ジョージ・シェーファー
出演:スティーブ・マックイーン、ビビ・アンデルソン、チャールズ・ダーニング、マイケル・クリストファー、エリック・クリスマス、リチャード・ダイサート、マイケル・ヒギンズ

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An Enemy of the People (1978) / 民衆の敵 のあらすじ

トマス・ストックマン(スティーブ・マックイーン)は、ノルウェーの名も知られぬ小さな町の医師である。町の近くに温泉が湧き、療養を目的とした観光の増加が期待されていたが、ストックマンは町の皮革業から出る排水で温泉が汚染されていることを発見した。彼は地元紙の「メッセンジャー」にその事実を告発したが、同紙はトマスの兄で町長のピーターによって圧力を掛けられた。ピーターはトマスが黙っているなら、温泉による収入で彼の望みを叶えることができると提案したが、トマスは妥協しなかった。
トマスはこの事実を広めるため、集会を開催するが、ピーターと新聞の記者は彼を罵って嘲り、トマスは事件の内容を伝えることができなかった。トマスの一家はそれまで町民から尊敬されていたが、娘は学校から放校され、自宅の窓には石が投げつけられた。一家は依然としてトマスに忠実で、アメリカへの移住にも反対した。代わりに彼らは町に留まり、時が経ってトマスの発見が証明されるのを待つこととする。彼らが自身の決定を祝っているその時、新たな石のつぶてが窓から投げ込まれたのだった。

民衆の敵 (1978)のストーリー

1880年、ノルウェーの小さな町キルステン。医者であり、鉱泉の水質検査官であるトーマス・ストックマン(スティーヴ・マックィーン)は、妻キャサリン(ビビ・アンデルソン)と3人の子供たちモーテン、エジリフ、ペトラらと平穏に暮らしていた。兄のピーター(チャールズ・ダーニング)は町長をしていたが、保守的な町の有力者たちと対立する卜ーマスとは、口論が絶えなかった。町の新聞社人民日報』のハヴステッド(マイケル・クリスファー)、アスラクセン(リチャード・ダイサート)、そして親友フォースター船長(リチャード・ブラッドフォード)らを自宅に招いて夕食会を開いたある夜、卜ーマスは重大なことを打ち明ける。町の財政の大半を支える鉱泉が有機物によって汚染されているというのだ。大学に水質調査を依頼した結果、原因は上流にあるなめし革工場がたれ流す水にあることがわかったのだ。その工場の経営者キル(エリック・クリスマス)を父にもつキャサリンは、夫の言葉を複雑な気持ちで受けとめた。早速そのことに関心を持ったハヴステッドが、社説に書こうと言い出す。そして大学からの報告書を新聞に掲載し町に知らせようと策を練りはじめた。しかし、翌日、ピーターがやって来て、逆に卜ーマスを『鉱泉の汚染を知らしめることは町にとっては不幸なことだ』と批判した。そんなピーターの言葉にもトーマスは屈せず、彼は『人民日報』の経営者ビリング(マイケル・ヒギンズ)らに報告書を渡した。トーマスが帰った後、ピーターがやって来て、ビリングらに、『報告書を掲載すれば町の評判は落ち人々は苦境に立つ。卜ーマスは町を自分のものにしようとしているのだ』と告げた。沈黙する人々。新聞社の協力が得られなくなった卜ーマスは、自らの手で集会を開き報告書の内容を人々に知らせることを思いつく。しかし雪の日に開かれた集会では、ピーターの根回しで議長に立ったビリングの裁量で、卜ーマスは一言も発言する機会を許されなかった。ついに民衆の敵とビリングに呼ばれた卜ーマスは、ひとり家に帰っていく。町の人々がイヤがらせで投石し、子供たちは仲間はずれにされ、長女は職を失った。しかし、どんな苦境に立とうとも、この町から去らず1人闘うことを、卜ーマスは強く心に誓うのだった。

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